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大阪地方裁判所 昭和57年(わ)3678号 判決

本店所在地

大阪府吹田市千里山東二丁目二一番三〇号

商号

有限会社杉林米穀店

代表者氏名

杉林巌

本籍

大阪府吹田市垂水町一丁目六七一番地の一

住居

同市千里山東二丁目二一番地三〇号

会社役員

杉林巌

昭和九年一二月八日生

右の者に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官宮下準二出席のうえ審理し、次おり判決する。

主文

被告会社を罰金五五〇万円に、被告人を懲役八月に処する。

被告人に対しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人有限会社杉林米穀店は、大阪府吹田市千里山東二丁目二一番三〇号に本店を置き、米穀・燃料等の販売業を営むもの、被告人杉林巌は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人杉林巌は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  同会社の昭和五三年七月一日から同五四年六月三〇日までの事業年度において、その所得金額が一六、三七七、二六二円で、これに対する法人税額が五、七一〇、八〇〇円であるのにかかわらず、売上げの一部を除外し、よって得た資金を無記名定期預金等として留保するなどの行為により右所得の全部を秘匿したうえ、同五四年八月三一日、大阪府茨木市上中条一丁目九番二一号所在の所轄茨木税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は欠損二、二四八、三九一円で、納付すべき法人税はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税五、七一〇、八〇〇円を免れ

第二  同会社の同五四年七月一日から同五五年六月三〇日までの事業年度において、その所得金額が一六、八四五、二一三円で、これに対する法人税額が五、八九八、〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により右所得の全部を秘匿したうえ、同五五年九月一日前記茨木税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は欠損五、六六九、七四五円で、納付すべき法人税はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税法五、八九八、〇〇〇円免れ

第三  同会社の同五五年七月一日から同五六年六月三〇日までの事業年度において、その所得金額が一三、八七一、三五九円で、これに対する法人税額が四、八六五、八〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により右所得の全部を秘匿したうえ、同五六年八月三一日前記茨木税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は欠損七、一八九、四二九円で、納付すべき法人税はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税四、八六五、八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書及び被告人に対する収税官吏の各質問てん末書八通

一  被告人作成の確認書及び売掛金調査表

一  中辻正次、下原謙二(二通)、清水康弘、坂本三郎、岩森次郎、桧口隆一、高田竹彦、畔内惣一、内藤政行に対する収税官吏の各質問てん末書

一  桧口隆一の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の各査察官調査書二二通(甲13 17ないし27 30ないし39)

一  収税官吏作成の現金有価証券等現在高確認書(14ないし16)

一  収税官吏作成のたな卸商品在庫高確認書二通(28 29)

一  収税官吏作成の脱税額計算書三通及び法人税確定申告書三通謄本

一  登記官作成の法人登記謄本

(適条)

被告法人につき昭和五六年法律五四号による改正前の法人税法一五九条、一六四条一項、法人税法一五九条、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項

被告人につき昭和五六年法律五四号改正前の法人税法一五九条、法人税法一五九条、刑法四五条前段、四七条一〇条、二五条一項

(裁判官 一之瀬健)

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